イギリスを中心として人気沸騰中のクリケット。日本であまり馴染みの無いスポーツですが、主に南アジア諸国やヨーロッパなどでシーズン中はクリケット一色になるほどの熱狂ぶりであることは知っていましたか?
今回の記事では、クリケットの歴史や発祥、野球との違いなど様々な観点からクリケットを解説していきます。
ぜひ記事を読んで、クリケットについての理解を深めていってくださいね。
目次
クリケットとは
クリケットとは、バットとボールを用い、1チーム11人の2チームで1イニングずつ交互に攻守交代しながら、得点を競い合うスポーツです。
野球のようなルール構成で、攻撃側のバットマンと守備側のボウラーに分かれて投球を行います。
バッターとピッチャーと同じです。
イギリスを発祥としており、フェアプレーと社交を重んじる「紳士と淑女のスポーツ」として認知されています。
純白のユニフォームや試合中のティータイムなど、イギリスならではの優雅さを持つのが特徴です。
「スポーツマンシップ」もクリケットが発祥となっています。
イギリスはもちろんのこと、インド・オーストラリア、またスリランカなどの英連邦諸国でもクリケットが盛んに行われています。
競技人口はサッカーに次いで、世界第2位と言われているほどです。
特に、インドやパキスタン、スリランカなどの南アジア諸国では圧倒的な人気を誇っており、トップ選手の中には年収が30億円を超えます。
クリケットの歴史・発祥
クリケットは元々イギリスの国技で、野球の原型ともいわれます。
起源は諸説ありますが、13世紀に羊飼いの遊びとして始まった話が最も一般的です。
羊飼いが使用する棒状のスティックを用いて、投げ込まれる石から味方のゲートを守るという遊びが進化していき、庶民の娯楽として確立され広まりました。
17世紀以降、イギリスが全世界に領土を拡大したことに伴い、インド、オーストラリア、南アフリカなど全イギリス植民地にクリケットが拡大。
そんなクリケットでは、1971年からはワールドカップ(W杯)も4年に一度開催されています。
年々競技人口は増加し、テレビ放送の視聴者数も約15億人とその熱狂ぶりが窺えます。
球技としての競技人口は非常に多く、世界中で大人気のスポーツです。
日本での歴史・変遷
日本では、明治維新後に英国海軍や商人たちによって、横浜にクリケットがもたらされました。
1898年、日本で最初に横浜でクリケットクラブが作られて以降、その後各地で外国人を中心に広まります。
その後、クリケットクラブは1980年代以降大学を中心に作られるようになりました。
関東学生連盟も発足され、学生スポーツとして普及し始めたのもこの頃です。
2000年以降は日本で大会が開催されたり、外国人選手が複数人来日したりと、クリケットに対する認知を広める普及活動がたくさん行われるようになりました。
クリケットが盛んな国
クリケットは、英国やオーストラリア、インドなどの英連邦諸国を中心に人気を集めています。
では、それぞれどのようにクリケットが盛んなのか、詳しく見ていきましょう。
イギリス
イギリスはクリケットの発祥地で、カウンティークリケットのプロリーグが開催されています。
全18チームで形成されており、2地区に分かれて各チームが優勝を目指す大会です。
チーム名には、日本での野球やサッカーチームの名称と同じように、その地区によって名称が付けられています(カウンティー名)。
年俸には最低額が決められており、年齢ごとに規定が定められています。
オーストラリア
オーストラリアでは、シーズン中になるとテレビ放送がクリケット一色になる程、人気を博しています。
テストマッチやワンデーインターナショナルなどシリーズが沢山あり、各国の代表チームがオーストラリア代表チームとシドニーやメルボルンなどの主要都市で対戦。
シリーズによっては試合時間が日を跨ぐものもあるため、体力と精神力を試されます。
また、オーストラリアにおいては、クリケットが行われるグラウンドは聖なる場所とされています。
そのため、観客がグラウンドに立ち入ることは決して無いそうです。
インド
インドもクリケットが盛んな国の1つです。
独自の大会であるインディアン・プレミアムリーグが開催されており、20方式のクリケットリーグが行われています。
このリーグは2008年に発足。シーズンは全部で60試合で、毎年4月に開催されます。
レギュラーシーズンでは、クリケットのプロリーグとしてはなんと世界最大の規模となります。
各8チームが14試合行い、上位4チームがプレーオフに進出できますが、その戦いは熾烈なものです。
このリーグの観客動員数平均は85万人。
2015年には約171万人の観客が集まりました。
クリケットと野球の違い
クリケットは、利用する道具やルールなどから「野球の原型」と言われます。
しかし、詳細を見てみると似ている部分もあれば、大きくルールが異なる部分もあるのです。
その違いとは、大きく分けて3つあります。
- チームの人数
- アウト数
- 守備位置
では、どのように異なるのか。以下で詳しく解説していきます。
チームの人数
まずはチームの人数です。
野球は9人で行われますが、クリケットでは1チーム11人で試合が行われます。
さらに補欠選手として、12人目を設けているところもあります。
クリケットの攻撃側では、アウトになった選手は次の打順の選手と交代し、打順は1から11という順番です。
守備側では、ボウラーとウィケットキーパー、そしてフィールダー9人の合計11人で守備位置(ポジション)を取ります。
アウト数
アウト数も異なります。
野球の場合には、3アウトを取ると選手交代となりますが、クリケットの場合では10アウト取るか規定されている投球回数分投げると、攻守交代となります。
野球は1回から9回まで表裏で入れ替わります。
しかし、クリケットでは基本的に先攻・後攻の1回の入れ替わりのみで終了です。
守備位置
最後に守備位置です。
野球では守備位置が決まっていますが、クリケットではボールを投げるボウラーとウィケットキーパー以外は守備位置を自由に決められるのが大きな特徴の一つです。
攻撃側であるバッツマンに合わせて守備位置を臨機応変に変更できるのが、クリケットの守備においての醍醐味とも言えるでしょう。
野球では、内野手は4人、外野手は3人と場所や人数が規定されていますが、クリケットでは、外野・内野問わず満遍なく全体に選手を配置したり、反対に内野、もしくは外野に選手を偏らせることできます。
ダーツにもクリケットが存在する
ダーツにもクリケットがあることをご存知でしたか?
もしかすると日本人であれば、ダーツでのクリケットの方が馴染み深いかもしれません。
ダーツにおけるクリケットは簡単に言うと陣取りゲームの名称です。
01ゲームとともに公式競技とされており、世界大会が行われるほどの盛況さを誇っています。
イギリスが発祥となっており、戦争の渦中にあった軍人たちが休息の合間に樽と矢を使ったゲームを行ったことが由来です。
そこから、「スポーツ」としてのダーツが発展していきました。
ダーツでのクリケットは、この記事で紹介しているクリケットとは全く異なります。
そのため、勘違いしないようにご注意ください。
クリケットのまとめ
今回はクリケットについて歴史や野球との違いなど、様々な観点で解説をしました。
日本ではあまり馴染みの無いクリケットですが、海外ではサッカーや野球という大人気スポーツと並ぶほどの盛り上がりを見せています。
一見難しそうに思えますが、野球のようなルールで親しみやすいです。
そのため、気軽に遊ぶことができます。
流行していないスポーツだからこそ、先駆けて自分なりの楽しさを見つけていきましょう。