アカペラの本場といえばアメリカといわれており、実績十分の本格派アカペラグループからユニークなアカペラグループまで、バラエティに富んでいます。ですがアメリカ以外にヨーロッパや韓国にも魅力的なアカペラグループはたくさん存在するので、英語だけでなく、様々な言語で楽しむことができます。
今回は、アカペラーとして知識を深めたい人、これからアカペラーとして活動していきたい人に向けて、海外のアカペラグループやその楽曲を紹介します。
目次
日本のカバー曲がある海外アカペラグループとそのおすすめ楽曲の紹介
ここでは日本の楽曲をカバーしている海外アカペラグループの紹介とおすすめの楽曲を解説します。
Pentatonix(ペンタトニックス)
アメリカを拠点に活動する混声5人組のアカペラグループで、2015年にリリースした初オリジナルアルバム『ペンタトニックス』は、アカペラグループとして史上初となる全米初登場1位に輝きました。さらにその年と翌2016年に2年連続でグラミー賞を受賞するなど、数々の功績を残しています。
CM出演や来日公演など日本での活動も活発的に行っており、さらに日本公式のTwitterアカウントもあります。
日本の楽曲もカバーしており、Official髭男dismの『Pretender』や、Perfumeのメドレーなどを日本語で歌っています。海外のアカペラグループが日本の楽曲を日本語でカバーするのは珍しいことですが、発音も素晴らしいものといえます。
また、2020年にはLittle Glee Monsterとコラボした『Dear My Friend feat. Pentatonix』をリリースしました。
おすすめの楽曲
Daft Punk
電子音楽デュオDaft Punkの名曲をアレンジしたメドレーで、EDMの楽曲を違和感なくアカペラに仕上げており、ミュージックビデオも非常にインパクトがあります。人間の声だけでここまで表現できるなんて驚きですよね。アカペラで歌えないものはないと感じさせるような1曲です。
MayTree(メイツリー)
韓国を拠点に活動する混声5人組のアカペラグループで、iPhoneやWindowsの効果音など、身近な音を声で再現してYouTubeにアップしています。
日本での活動実績もあり、2009年には日本のアカペラグループ「Permanent Fish(パーマネントフィッシュ)」とジョイントコンサートを開催。2018年にはアニメ『宇宙戦艦ヤマト 2202 愛の戦士たち』のエンディングテーマに参加しています。また、2021年には日本のAmazonのCMに使用された『故郷 – Amazon Original』においてバックコーラスを担当しました。
おすすめの楽曲
Colors of the Wind (Acapella Collaboration)
こちらは韓国の伝統音楽の歌手とコラボした一曲で、前半と後半で異なった曲調が特徴です。
女性の語りかけるような歌声や男性の力強い声など、メンバーの個性が最大限に活かされているのを感じます。韓国の文化が好きな方や伝統音楽が好きな方におすすめです。
Rockapella(ロッカペラ)
アメリカを拠点に活動する1986年に結成されたベテランのアカペラグループです。メンバーの脱退や加入を繰り返していますが、基本的には男性5人組で活動しています。
昔のアカペラは合唱スタイルでしたが、これにボイスパーカッションを取り入れた「コンテンポラリー・アカペラ」というスタイルを日本で初めて取り入れました。日本のアカペラシーンに大きな影響をもたらしたといっても過言ではないでしょう。来日する回数も多く、毎回多くの観客を虜にしています。サザンオールスターズの『いとしのエリー』や欅坂46の『風に吹かれても』など日本の楽曲のカバーも行っています。
おすすめの楽曲
Pretty Much You
とにかく心地よいリズムで、聴いていて心が躍るような一曲です。メンバーそれぞれの個性が上手く混ざり合って、サビでは素晴らしいハーモニーを奏でています。
また、ミュージックビデオはコメディ調なので、より楽しみながら見ることができるでしょう。
Voca People(ボカピープル)
ボカ星という惑星から来た宇宙人という設定の混声8人組のアカペラグループです。
全員が全身真っ白の格好をしており、非常にインパクトのあるビジュアルですが、アカペラの実力は折り紙付きで、E.T.のテーマソングやマイケル・ジャクソンなどの名曲をカバーしています。
来日公演も行っており、2015年にはお笑い芸人・クマムシの楽曲『あったかいんだからぁ♪』のカバーを披露しました。
おすすめの楽曲
Jingle bells by VOCA PEOPLE
クリスマスの定番ソング『ジングルベル』ですが、ワクワクする世界観をアカペラで表現しています。ミュージックビデオではメンバーがとても楽しそうに歌っており、こちらまで笑顔になりそうです。男性の低音ボイスがいい味を出しており、深みのある楽曲になっているのも特徴です。
知っておきたい本格派海外アカペラグループとその楽曲の紹介
ここからは海外で活躍する本格派のアカペラグループの紹介とおすすめの楽曲を解説します。日本で公演があるグループもいるので、ぜひチェックしてください。
TAKE 6(テイク・シックス)
アメリカを拠点に活動する、1980年に結成した男性6人組のアカペラグループで、ゴスペルやジャズなど様々なジャンルをアカペラに取り入れており、表現力がとても高いのが特徴です。
これまで10回もグラミー賞を獲得し、スティーヴィー・ワンダーをはじめとした様々なアーティストとコラボをしてきました。いわばアカペラシーンの生ける伝説のような存在です。日本での公演も何度か行っています。
おすすめの楽曲
White Christmas
テンポの良いクリスマスソングで、優しさと力強さの両方を感じさせる一曲です。培われたコンビネーションから繰り出されるハーモニーは「素晴らしい」の一言につきます。
こちらの曲がリリースされたのは2010年なので比較的新しいですが、TAKE 6の技術は長年経っても衰えを知らないどころか、凄みを増していると思わせてくれます。
Kraja(クラヤ)
スウェーデンで誕生した女性4人組のアカペラグループです。スウェーデンの伝統音楽をアカペラでアレンジしており、独自の世界観を表現しています。
ここまで紹介したアカペラグループもそうですが、力強く表現するアカペラーが多い中で、Krajaは優しく包み込むような楽曲が多くあるので、ほかとは違ったアカペラを聴きたいという方に特におすすめです。なお、日本での公演も何度か行っています。
おすすめの楽曲
Bortom Skogen
Krajaの世界観が凝縮された一曲で、メロディが心地よくいつまでも聴いていたくなりそうです。ミュージックビデオでは、メンバーが雪山を歩く様子が映しだされており、どこか切なさを感じさせます。
讃美歌に近いようなテイストなので、気持ちをリラックスさせてくれるでしょう。
VoicePlay(ボイスプレイ)
個性的な男性4人組のアカペラグループです。YouTubeに筋トレをしながらアカペラを披露したり、ゲームの映像を流しながら歌ったりする動画をアップしており、とにかく陽気にアカペラを楽しんでいるというのが伝わります。
笑いながらアカペラを聴くことができるので、そういった意味では唯一無二の存在ではないでしょうか。歌声だけでなくメンバーの表情にも注目です。
なお、過去には5人で活動していたようですが、現在の正規メンバーは4人となっています。
おすすめの楽曲
BTS A Cappella – VoicePlay feat. Deejay Young & Cesar De La Rosa
日本でもヒットしたBTSの『Butter』をカバーした一曲です。おしゃれでかっこよく、特にメロディの表現には驚くものがあります。こちらのミュージックビデオにもコミカルなシーンがたくさんあるので、笑いながらアカペラを楽しんでみてください。
番外編
バーデン・ベラーズ
こちらは『ピッチ・パーフェクト』というアメリカのドラマ内に登場した女性10人組のアカペラグループです。歌って踊るという珍しいコンセプトですが、プロに負けないくらい歌唱力は高く、本格的なアカペラを披露しています。
ドラマ内ではさらにさまざまな歌唱を披露しているので、海外ドラマ好きの方には特におすすめです。
おすすめの楽曲
ビヨンセの『Love on Top』をカバーした一曲です。こちらはドラマで使用された楽曲ではなく、2020年にユニセフへの募金を促す目的で作成されました。すでにドラマは終了しているため、ドラマ内に登場したアカペラグループ、バーデン・ベラーズが再結成したと受け取れます。
『Love on Top』はリズムが特徴的な楽曲ですが、それをアカペラでうまく表現しており、サビではコーラスがうまくハモっています。
アカペラに興味を持ち始めたばかりの人におすすめの「ディカペラ」とは
ディカペラとは、ディズニー公式のアカペラグループ。2017年にディズニーが初となるアカペラグループオーディションを行い、1,500名を超える応募の中から男女7人が選ばれました。
ディズニー作品に登場する楽曲をアカペラでカバーしており、圧倒的な歌唱力とパフォーマンスで多くの人を魅了しています。
ディカペラはディズニー作品が好きな方はもちろん、これからアカペラを聴いてみたいという人にとっても親しみやすいグループといえるので、まずは入門編としておすすめします。
海外のアカペラグループからアカペラの魅力を知ろう!
今回は様々なアカペラグループを紹介しましたが、どれも個性的でアカペラを心の底から楽しんでいるというのが伝わります。また、歌唱力はもちろんですが、パフォーマンスで観客を楽しませたり、身近な音をアカペラで表現して視聴者に驚きを与えたり、様々なアイデアを取り入れていることがわかりました。
「アカペラでこんなことができるの!?」と驚かされることも多いですが、それはつまりアカペラの魅力や可能性が無限大にあるということではないでしょうか。
日本の楽曲だけでなく本場の楽曲に触れることで、アカペラの本質がわかるかもしれません。ぜひ、洋楽のアカペラも聴いてみてください。