歴史にフォーカスしたアニメやゲームの影響もあり、日本のお城に興味がある方は増えつつあります。昨今、使われるようになった「城ガール」や「お城女子」もそれを物語っていて、一定の女性人口もうかがうことができるでしょう。お城好きの方の中には、自分の知識を試したいと思ったことがある方もいるかもしれません。
日本のお城に関する知識を試すのにおすすめなのが「日本城郭検定」という検定試験です。
そこで今回は、日本城郭検定の特徴から費用、難易度まで解説します。
目次
日本城郭検定とは
「日本城郭検定」は公益財団法人「日本城郭協会」が主催しているもので、お城の魅力をより多くの人に知ってもらうべく、2012年11月に第1回目の検定をスタートしました。受験者数は2020年11月時点で約2万5000人(参照元:https://www.kentei-uketsuke.com/shiro/about/)となっており、2022年6月には20回目の節目を迎えます。
1回目ではロンブー淳さんが受験
芸能界きってのお城好きで、国宝犬山城がある愛知県犬山市の観光特使を務めるロンドンブーツ1号・2号の田村淳さん。実は第1回目の日本城郭検定で3級を受験しており、見事合格しています。
日本城郭協会について
日本城郭検定を主催する日本城郭協会は、1956年に任意団体として設立され、「日本および世界各国の城郭に関する研究、調査、啓蒙を通じて、民族、歴史、風土に関する知識の普及を図り、もって教育、文化の発展に寄与すること」を目的としている協会です(参照元:http://jokaku.jp/history-and-outline/)。テレビやニュース、旅先などで「日本100名城」という言葉を見聞きしたことはないでしょうか。この認定は日本城郭協会が行っているものです。
■協会の公式サイトはこちら
→公益財団法人日本城郭協会
日本100名城とは?
2006年に創設されたもので、日本を代表する文化遺産の城郭や城跡が対象となっています。各都道府県に1城以上存在し、多くても5城以内と定められています。ちなみに東京都では、「江戸城」と「八王子城」が日本100名城に登録されています。
続日本100名城もある
こちらは2017年に創設されたもので、「優れた文化財・史跡であること」「著名な歴史の舞台であること」「時代・地域の代表であること」の3つの基準を満たした城郭や城跡が対象となっています。日本100名城とは違い全ての都道府県に存在するわけではありません。ちなみに東京都では、「滝山城」と「品川台場」が続日本100名城に登録されています。
日本城郭検定の級は?費用は?
日本城郭検定には3級、2級、準1級、1級の全部で4つの級があります。過去には4級もありましたが、第17回をもって終了しました。
検定費用は一般と中学生以下で異なります。それぞれの金額は下記のとおりです。また2つ以上の級を受験する場合は、併願すると金額が安くなります。
3級
一般 4,700円
中学生以下 3,700円
※3級と2級を併願の場合は一般 9,500円、中学生以下 6,900円
2級
一般 6,000円
中学生以下 3,700円
※2級と準1級を併願する場合は一般 11,500円、中学生以下 6,900円
準1級
一般 6,800円
中学生以下 3,700円
※準1級と1級を併願する場合は一般 14,600円、中学生以下 10,100円
1級
一般 9,400円
中学生以下 6,900円
開催はいつ?
開催時期は明確に決まっておりませんが、これまでの流れを見ると年2回開催されていることがわかります。開催日時は日本城郭検定の公式サイトで発表されるので、気になる方は都度チェックしてみてください。また、こちらよりメールマガジンを登録することで、検定受付の連絡を受け取ることもできます。
日本城郭検定を受験するメリット
日本城郭検定に合格すると「合格認定ピンバッジ」と「合格認定カード」、「合格認定名刺」を購入することができます。それぞれのアイテムでは級ごとにデザインが異なります。
また、日本城郭検定は技能検定ではありませんが履歴書に書くこともできます。面接官との会話のきっかけになるかもしれません。
なお、お城に関する知識を活かして何かしたいという方は、日本城郭検定を所持しているとキッカケを作ることができるかもしれません。実際に日本城郭検定の申し込みページにある「よくある質問」では、過去に合格者へのテレビ出演の問い合わせがあったことが書かれています(参照元:https://faq.kentei-uketsuke.com/faq/detail?site=YUMKE0K1&category=593&id=5930130&search=true)。
お城好きの方は、チャレンジすることで新たな道が開けるかもしれません。
日本城郭検定の難易度やその勉強法は?
日本城郭検定には、Webサイトを通じて申し込むことができます。公式サイトに掲載されている検定の開催情報からアクセスしてください。
試験会場は各回によって変わることがあります。ちなみに、2022年6月の第20回検定では、仙台・東京・名古屋・大阪・姫路での開催を予定しております。
試験はマークシートの4肢択一形式です。問題数は全部で100問。合格するためには概ね70問以上の正解が必要になるとされています。試験時間は全ての級で60分と決められていますが、試験前の説明の時間は試験時間に含まれません。
合格発表はいつ?
合格発表は受験後1ヶ月で届きます。合格者は合格認定証を受け取ることができます。
各級の難しさは?
3級、2級、準1級、1級、それぞれの出題内容と合格率を紹介します。
3級
これからお城や歴史の知識を身につけ、お城を楽しみたいというような初心者向けのレベルです。出題内容はお城の総合知識(歴史や地域文化、お城造りなど)や、日本城郭協会が認定する日本100名城の個別城郭の知識を中心に、続日本100名城の個別城郭知識の一部も問われるものとなっています。
平均合格率は82.8%です。
2級
全国のお城の歴史や特徴を知っているというような中級者向けのレベルです。3級の出題内容に、続日本100名城の個別城郭知識がふんだんに加わります。
平均合格率は73.6%です。
準1級
全国にあるお城の基本的な知識はもちろん、内部の構造まで熟知しているような上級者向けのレベルです。出題内容は3級と2級の範囲と合わせて、各回に用意された異なるテーマから重点的に問われます。また、100名城以外のお城からも一部出題されます。
平均合格率は一気に下がり、35.8%です。
1級
お城に関する知識が専門家に匹敵するというような、最上級者向けのレベルです。出題内容は3級から準1級までの範囲と合わせて、お城のうんちくや時事情報など、お城に関するあらゆることが問われます。歴史だけでなく、最新情報も頭に入れておかなければなりません。
平均合格率は4.9%と狭き門になっています。
勉強方法
基本的には、日本100名城、続日本100名城の公式テキスト、ガイドブック、問題集を使用して勉強を行います。こちらでは、ガイドブックの詳細を見ることができます。中には持ち運びができるタイプもあるので、移動中でも勉強することが可能です。
準1級を受験するという場合は「よくわかる日本の城 日本城郭検定公式参考書」など、お城に関する参考書が勉強をする上で欠かせなくなってきます。また、各回のテーマについて深く知っておく必要があります。
1級を受験する場合は時事ネタも出てくるので、お城に関するニュースを見ておきましょう。
ある程度テキストによる勉強が進んだら、本城郭検定の公式サイトにある練習問題を利用して技量を試してみるのもいいでしょう。
また、無料で受験できる「オンライン入門編」というのがあります。本番前に受けておくことで、予習復習が可能です。50問中30問以上正解で合格という仕組みになっており、計2回まで受験することができます。
日本城郭検定はお城の知識を試せる
日本城郭検定を受験する場合は、お城の基本的な情報を知ることはもちろんですが、歴史や地域まで深く知らなければなりません。日本城郭検定は、お城好きな方が知識を測ることができる検定といえるでしょう。
また検定試験を通して学ぶことで、自分の嗜好に限らないバランスの取れた知識を身につけることができます。今まで気づけなかったお城の魅力にたどり着けるかもしれません。
お城が好きな方はもちろんですが、これからお城について詳しくなりたいという方もぜひ、挑んでみてください。日本城郭検定を受験することで、お城との距離が近づくでしょう。