日本の宮殿=皇居を観光したい!内部見学の見どころや散歩コース紹介

皇居

日本の宮殿といえば伽羅御所(きゃらのごしょ)や首里城などいくつも存在しますが、皇居もその中に含まれます。都会にあるためアクセスが良い上に、自然に溢れているので散歩にも適しています。

皇居と聞くと敷居が高く近寄り難いイメージを持たれている方も多いかと思いますが、実際には気軽に立ち寄れる施設もあり、内部も無料で見学することができます。

今回は日本の宮殿や皇居内部見学の方法、皇居のおすすめの散歩コースなどを紹介します。

日本の宮殿紹介

伽羅御所

岩手県にあった奥州藤原氏の第三代当主・秀衡が建築し、四代当主・泰衡まで使用されていた藤原氏の居館です。伽羅御所は無くなってしまいましたが、隣接していた「えさし藤原の郷」にて、再現をした建物を見ることができます。

首里城

首里城

首里城の正殿に琉球王国の宮殿がありました。2019年の火災により正殿は消失しましたが、2022年現在、復元に向けた取り組みをおこなっています。

京都御所

京都御所

現在の京都御所は1331年に光厳天皇が即位されてから1869年に明治天皇が東京に移られるまで約500年間、天皇のお住まいとして使用されていました。

最も格式が高い正殿は紫宸殿(ししんでん)で、天皇の御座「高御座(たかみくら)」や皇后の御座「御帳台(みちょうだい)」が置かれています。

平安宮(大内裏)

平安宮(大内裏)

平安京の中枢部にある宮殿で、東西約1.2キロメートル、南北約1.4キロメートルという大きさを誇っていました。現在の平安神宮の社殿は、平安宮の正庁であった朝堂院を8分の5スケールで再現したものであり、上の画像はそれを写したものです。

平城宮

平城宮

平城京の中枢部にある宮殿で、東西約1.3キロメートル、南北約1キロメートルの大きさがあります。現在は復元されたものを見ることができます。

皇居の宮殿

皇居長和殿

皇居の宮殿は1968年10月に完成し、翌年1969年4月から使用を開始しています。天皇がご公務をされる場所で、公の儀式や晩餐会、歌会始などが行われます。

宮殿は桜田門から近い場所にあり、すぐそばには宮内庁があります。「表御座所(おもてござしょ)」、「正殿(せいでん)」、「千草の間・千鳥の間(ちぐさ・ちどりのま)」、「豊明殿(ほうめいでん)」、「連翠(れんすい)」、「長和殿(ちょうわでん)」、「庭園」の7つの棟から構成されています。ニュースで見かける内閣総理大臣の親任式や文化勲章の親授式などは、原則として正殿の松の間で行われます。松の間は宮殿の中央に位置し、重要な儀式が行われる場所です。

なお、宮殿の内部は一般公開されておらず、過去には宮殿特別参観で見学することができましたが、今は実際に見ることは難しい場所になりました(2022年4月時点)。

皇居について

現在の皇居は明治天皇以降、歴代天皇のお住まいとなっています。元々は徳川幕府の居城・江戸城があった場所で、明治元年(1868年)に皇居となりました。大きさは約115万平方メートルで、東京ドーム約25個分です。

名称の変化

「皇居」と呼ばれるようになったのは1948年からで、それまでは様々な名称が使用されていました。1868年に明治天皇の東京行幸によって江戸城が「東京城(とうけいじょう)」と称されるようになり、翌年1869年に行われた二度目の東京行幸で「皇城(こうじょう)」と変えました。その後、1873年には火災により赤坂離宮を仮皇居と定め、1888年に明治宮殿が完成すると「宮城(きゅうじょう)」と改称しました。

4つのエリア

皇居は大きく「皇居」、「皇居外苑」、「皇居東御苑」、「北の丸公園」の4つのエリアに分けられます。

皇居

皇居

皇居の中枢部には「吹上地区」と「西の丸地区」があります。吹上地区には天皇ご一家のお住まいである吹上御所や、歴代天皇、皇族の御霊が祀られている宮中三殿などがあります。西の丸には宮殿や宮内庁などがあります。吹上地区は見学できませんが、西の丸は見学をすることができます。この後に紹介する皇居内部の見学方法を参考にしてください。

皇居外苑

皇居前広場

丸の内エリアから近い国民公園で、常時解放しているので自由に立ち入ることができます。大芝生広場で緑を感じ、旧江戸城の史跡も巡ることができ、食事をしたりお土産を買ったりする施設もあります。

皇居東御苑

皇居東御苑

大手町エリアから近い場所にあり、百人番所や富士見櫓など、旧江戸城にあった建物を見ることができ、庭園「二の丸庭園」では美しい花々を見ることができます。

東御苑は事前申し込み不要で見学することができますが、休園日もあるので注意が必要です。また、手荷物検査が行われるため、荷物は最小限にしておくとよいでしょう。休園日と公開時間は以下の通りです。

【休園日】

  • 月・金曜日(天皇誕生日を除く国民の祝日は公開、月曜日が祝日で公開される場合は翌火曜日に休園)
  • 12月28日から翌年1月3日までの期間
  • 行事等が実施され、支障があると判断された日

【公開時間】

  • 3月1日〜4月14日:9時〜17時(受付は16時30分まで)
  • 4月15日〜8月末日:9時〜18時(受付は17時30分まで)
  • 9月1日〜9月末日:9時〜17時(受付は16時30分まで)
  • 10月1日〜10月末日:9時〜16時30分(受付は16時まで)
  • 11月1日〜2月末日:9時〜16時(受付は15時30まで)

北の丸公園

北の丸公園

半蔵門エリアから近い国民公園で、春には桜、秋には紅葉を楽しむことができ、野鳥の観察も行える自然豊かな場所です。常時解放されているので自由に立ち入ることができます。日本武道館や科学技術館などの文化施設もあります。

なお、一般車も利用できる駐車場が併設されているので、遠方の方も訪問しやすいでしょう。

皇居内部の見学方法・見所

皇居内部を見学する場合は「皇居一般参観」に参加すれば可能です。皇居参観の申請方法は事前申請と当日受付の2種類あります。

皇居参観は休止日を除き、午前1回、午後1回の1日計2回実施しています。定員は通常、事前申請手続の場合200人、当日受付の場合300人です(新型コロナウイルス感染拡大防止など、状況に応じて変動する可能性があります)。なお、18歳未満の場合は成人の同伴が必要です。

皇居参観の休止日は下記のとおりです。

  • 日曜日
  • 月曜日
  • 国民の祝日(土曜日を除く)
  • 7月21日から8月31日までの午後
  • 12月28日から翌年1月4日までの期間
  • 行事等が実施され支障があると判断された日(回)

皇居参観のスケジュール

午前の回では9時30分に受け付けを開始し、10時頃から11時15分頃までが参観時間、午後の回では13時に受け付けを開始し、13時30分頃から14時45分頃までが参観時間です。

事前申請の方法

事前申請手続は1人からでも申し込むことができ、インターネット、郵便、窓口の3つの方法から行うことができます。それぞれの方法を紹介します。

インターネットの予約

インターネットでは、皇居参観の希望日の前月1日午前5時から4日前まで予約を受け付けています。こちらのページから必要項目を記入の上、申請をしましょう。申請後に参観受付システムより「皇居参観許可」の通知があり、これをもって申請が完了します。なお、通知受領後は日時や参加者の変更はできません。ただし、参加人数を減らすことはできます。

なお、インターネット上で予約が満員でも郵便・窓口で申請できる場合があります。気になる方は「宮内庁管理部管理課参観係」(03-5223-8071)に電話で問い合わせをしてみてください。

郵便および窓口での予約

郵便および窓口では、皇居参観の希望日の前月1日から予約を受け付けています。ただし、希望日の7日前までに手続を完了する必要があります。

郵便および窓口のどちらとも「宮内庁管理部管理課参観係」(03-5223-8071)に電話で問い合わせをして、希望日(回)を伝えます。その後、参加者名簿の提出が必要なので名簿の作成を行います。

名簿には7つの情報(氏名(外国人はアルファベット)、フリガナ、年齢(参観日時点)、性別、郵便番号、自宅住所(外国人は国籍と自国の住所又はパスポート番号)、電話番号(代表者のみで日中連絡が取れるもの)と参観日時、人数を任意書式(A4)で記入します。なお、10人以上の団体で予約を行う場合はこちらより指定の書式をダウンロードして名簿を作成してください。

郵便で予約を行う場合は、作成した名簿と返信用封筒(必要切手の貼付と返信先を記載)を同封し、宛先「〒100-8111(住所不要)宮内庁参観係」に郵送します。10人以上の団体の場合は、指定の書式で作成した名簿をメールアドレス(kokyosankan-info@kunaicho.go.jp)に送り、返信用封筒のみ郵送します。

窓口で予約を行う場合は、宮内庁参観係(皇居坂下門経由)に名簿を持参します。10人以上の団体の場合は、指定の書式で作成した名簿をCD-ROMに保存し、それを持参します。

なお、郵便および窓口での予約完了後は、日時や参加者の変更はできません。ただし、参加人数を減らすことはできます。

当日受付の方法

皇居参観は事前に予約をせずに当日参加することも可能です。その場合、皇居桔梗門前で配布する整理券を受け取り、先着順で参加することができ、午前の回では9時から、午後の回では12時30分から整理券の配布を行っています。

当日必要なもの

当日は身分証明書(運転免許証・健康保険証・パスポート・マイナンバーカードなど)を必ず持参してください。コピーは不可です。忘れた場合、皇居参観はできないので注意してください。

見学コースと見どころ紹介

皇居参観では、伏見櫓(ふしみやぐら)や宮殿東庭(きゅうでんとうてい)など、西の丸エリアの一部を見学します。

皇居参観の参加者は桔梗門(ききょうもん)を通って皇居内部に入ります。桔梗門へのアクセスは千代田線二重橋前駅(6番出口)から徒歩約10分、東京駅からは、丸の内中央口から徒歩約15分です。

桔梗門では身分証明書の確認などがありますので、係員の指示に従ってください。

桔梗門を通ると窓明館(そうめいかん)が見えます。ここが皇居参観のスタート地点になり、説明や注意事項の確認などが行われます。窓明館には売店もあるので、ここでお土産を購入するといいでしょう。ロッカーがあるので荷物を預けることもできます。また、皇居参観のコースにはトイレがないため、心配な方は先にこちらで済ませておきましょう。

一番の見どころは宮殿の外観です。壮大さを感じることができるでしょう。

皇居のおすすめ散歩コースと観光スポット

ここからは皇居のおすすめ散歩コースや観光スポットを紹介します。

散歩コース

旧江戸城を巡る

旧江戸城

皇居東御苑では、旧江戸城を巡ることができます。お城好きの方や歴史好きの方は訪れてみてはいかがでしょうか。

車で行けて家族で楽しめる

日本武道館正面

北の丸第一駐車場に車を止めるとすぐ近くに科学技術館があります。化学を楽しく学べるので、子どもも一日中楽しむことができるでしょう。その後は日本武道館まで歩き、記念写真を。お腹が空いたら「ザ・フォレスト 北の丸」のハンバーガーがおすすめです。

所在地

科学技術館:東京都千代田区北の丸公園2-1
日本武道館:東京都千代田区北の丸公園2-3
ザ・フォレスト 北の丸:東京都千代田区北の丸公園1-1

のんびりした時間を

皇居前広場

大手門の交差点から皇居に入り、左回りに進んで和田倉噴水公園で少し休憩。再び左回りに進んで皇居前公園の芝生を眺めながら歩いて行き、二重橋前交差点で日比谷通りの方向に進み楠公レストハウスを目指します。最後は食事をしてのんびり過ごしましょう。

所在地

和田倉噴水公園:東京都千代田区皇居外苑3-1
楠公レストハウス:東京都千代田区皇居外苑1-1

観光スポット

楠木正成像

楠木正成像

皇居外苑の一角にある騎馬像は、楠木正成の功績を称えて作られました。楠木正成は後醍醐天皇の忠臣であり、鎌倉幕府を崩壊に導いた人物です。 迫力のある銅像は、今にも動き出しそうな躍動感のある作りで、圧倒されます。体が正面を向いていないのは、皇居に背を向けるのは失礼ということからだそうです。

所在地

東京都千代田区皇居外苑1-1

震災イチョウ

気象庁交差点から近い大手濠緑地内にある1本のイチョウは特別な木です。1923年に発生した関東大震災でこの一帯は焼け野原になりましたが、その中で奇跡的に残っていたのがこちらのイチョウなのです。木には炎による傷が残っており、生命力を目の当たりにすることができます。復興のシンボルとなった木からパワーを感じてみてはいかがでしょうか。

所在地

東京都千代田区大手町1-4

二の丸庭園

二の丸庭園

皇居東御苑の敷地内にある二の丸庭園の池泉回遊式庭園には、各都道府県の木が植えられており、様々な植物を楽しむことができます。こちらは徳川幕府9代将軍・家重の時代の庭絵図面を参考に、1968年に復元されたものです。緑にあふれ、ここが都心ということを忘れさせてくれるような癒しを与えてくれるでしょう。

所在地

東京都千代田区千代田1

和田倉噴水公園

和田倉噴水公園

皇居外苑にある和田倉噴水公園は丸の内エリアからアクセスしやすく、気軽に立ち寄ることができます。公園内には無料休憩所やコーヒーショップなどがあるので、暑さ・寒さを凌いだり、食事をしたり、散歩の休憩にも適しています。

所在地

東京都千代田区皇居外苑3-1

皇居は見学できるところが多い

皇居はアクセスが良く、無料で歴史ある建造物や自然と触れ合うことができるので散歩に向いています。また、見学できる場所が多く、歴史をより深く知ることができるので、ぜひ、訪れてみてはいかがでしょうか。