日本でも観光地として人気があるお城は、ヨーロッパやアジア圏でも多くの観光客でにぎわうスポットです。
それぞれのお城は建築された当時、さまざまな役割を担っていました。
地域によっても若干考え方に違いがありますが、ヨーロッパでは戦略上重要な拠点を守るための要塞や王侯貴族の居城として建てられることが多かったようです。中国では「城」という漢字はそもそも「都市、街」を表すものであり、都市の外周を囲む城壁とその内側の居住区を合わせて「城」と呼びます。
世界のお城の中には、世界遺産に登録されているものもたくさんあります。お城の多くは建造当時の役目を終え、史跡として当時の歴史を伝える観光地として扱われており、その威容、美しさから、今でも多くの人を魅了し続けています。
この記事では、ヨーロッパからアジア圏（日本を除く）まで、世界各地のお城でも特に有名なものや世界遺産に認定されているものを8城紹介します。
海外旅行の行き先を決める際の参考にしてみてください。GoogleストリートビューのURLも記載しているので、自宅で旅行気分を味わうのも楽しいかもしれません。
目次
ダラム城（イギリス）
- ダラム城（Durham castle）
- イギリス 〒DH1 3RW Durham, ダラム（https://goo.gl/maps/nHANrpHiRLkuUK3q8）
- ダラム城は世界遺産にも指定されている、イギリスのダラムに建てられたノルマン様式のお城です。11世紀にノルマン人によって要塞として建造されて以来、増改築が繰り返されてきました。建造当時から現在に至るまで、キリスト教の大聖堂としてダラム司教の邸宅として扱われたり、19世紀に新設されたダラム大学の学生寮として使われたりと、さまざまな用途に利用されています。第2次世界対戦時にはイギリス空軍の司令部としても使われたようです。現在ではふたたびダラム大学の学生寮として利用され、100人以上の学生が暮らしているとか。また映画『ハリー・ポッター』シリーズのロケ地としても有名です。石造りの重厚な外観は、ホグワーツ魔法魔術学校のイメージにぴったりですね。
ノイシュヴァンシュタイン城（ドイツ）
- ノイシュヴァンシュタイン城（Neuschwansteinstraße）
- Neuschwansteinstraße 20, 87645 Schwangau, ドイツ（https://goo.gl/maps/btqauXYF6hvkXtV19 ）
- ノイシュヴァンシュタイン城はルートヴィヒ2世によって建造されました。「ノイシュヴァンシュタイン」とはドイツ語で「新（neu）・白鳥(schwan)・石(stein)」という意味の名前。その名称の通り、まるで白鳥の羽のような白い外壁が特徴的な、レンガ造りのお城です。建造されたのが1892年と他の古城に比べるとかなり新しい城館でありながら、12世紀〜13世紀に流行した「ロマネスク様式」「ゴシック様式」を取り入れています。これは城主であったルートヴィヒ2世が自身の中世への憧れを全面的に押し出したことによるものです。壮麗な姿を見せるノイシュヴァンシュタイン城ですが建築計画の一部が完成した1886年にルートヴィヒ2世が亡くなり、未完成部分を多く残したまま工事が中止されてしまいました。現在はドイツ有数の観光地となり、ロマンティック街道の終点として多くの観光客に愛されています。
カルカソンヌ（フランス）
- カルカソンヌ（Carcassonne）
- フランス 〒11000（https://goo.gl/maps/YB3q7nMqqg3AQPvJ9 ）
- カルカソンヌ（カルカッソンヌ）はフランス南部に位置する市街の名称。カルカソンヌは紀元前6世紀ごろ古代ローマ帝国の都市として発達した地域で、街の周囲を城壁が取り囲む「城塞都市」です。城塞の中には「コンタル城」というお城も建っています。街全体が古代ローマ帝国時代から続く2500年以上の歴史を持っており、フランス国内の観光地でも非常に人気の高い場所です。17世紀半ばまではフランス・スペイン間の国境沿いに位置し戦略的な拠点として重要視されていたカルカソンヌですが、1659年にピレネー条約が締結されて以来、拠点としての重要性を失い、市街は荒れ果ててしまいます。しかし歴史的建造物の荒廃を嘆いたジャン＝ピエール・クロ＝メイルヴィエイユらによって修復が行われました。1997年には「歴史的城塞都市カルカソンヌ」として世界遺産にも登録されています。
カステル・デル・モンテ（イタリア）
- カステル・デル・モンテ（Castel del Monte）
- Contrada Castel del Monte Ex, Strada Statale 170, 76123 Andria BT, イタリア（https://goo.gl/maps/1yQ6juWmyLBM4nG39 ）
- カステル・デル・モンテは、イタリアはプッリャ州アンドリアに位置するお城です。13世紀にローマ皇帝フェデリーコ2世によって建築されたあと長い間放置され、19世紀に入りイタリア王国の所有となってから史跡として修復が始まりました。カステル・デル・モンテは「山の（del Monte）城（Castel）」という意味のイタリア語です。一番の特徴は城壁の構造でしょう。カステル・デル・モンテの城壁は上空から見ると正八角形のドーナツ型に造られており、8つの角にそれぞれ建てられた塔も八角形になっています。このお城は軍事的な目的でも居城としての目的でもなく、来客をもてなすためのいわば迎賓館として機能していたといわれています。世界遺産にも登録されており、1ユーロ硬貨の図柄にもなっています。
セゴビアのアルカサル（スペイン）
- セゴビアのアルカサル（Alcázar de Segovia）
- Pl. Reina Victoria Eugenia, s/n, 40003 Segovia, スペイン（https://goo.gl/maps/LzFdn5bAMLuxgHbq7 ）
- セゴビアのアルカサルは、スペインはカスティーリャ・イ・レオン州のセゴビアにあるお城です。「アルカサル」とは「城」を意味するアラビア語に由来する言葉で、単に「アルカサル」というと他にもたくさんのお城が該当します。なぜアラビア語がヨーロッパのお城の名称になっているかといえば、セゴビアのアルカサルの基礎を築いたのが7世紀の大イスラム帝国「ウマイヤ朝」であるから。8世紀から行われたキリスト教国家によるレコンキスタ（再征服）によってウマイヤ朝が撤退したのち、現在の姿に改築されてきた歴史があります。セゴビアのアルカサルは周辺の建築物とともに世界遺産に登録されており、またディズニー映画『白雪姫』のお城のモデルになったともいわれています。
■ヨーロッパの城についてもっと知りたい方はこちらの記事をチェック！
→ヨーロッパで有名なお城を内装、内部構造の知識交えて紹介！
サン・ペドロ・デ・ラ・ロカ城（キューバ）
- サン・ペドロ・デ・ラ・ロカ城（Castillo de San Pedro de la Roca）
- X49H+CW8, Santiago de Cuba, キューバ（https://goo.gl/maps/nCWwswtmgxvU8JBP9 ）
- サン・ペドロ・デ・ラ・ロカ城は、17世紀のキューバに建造されたお城です。アメリカ大陸にヨーロッパ風のお城があることが不思議かもしれませんが、当時はスペインが中南米の主権を握っていた時代。サン・ペドロ・デ・ラ・ロカ城も、カリブ海にのさばっていた海賊から拠点を守るためにスペインが築いた要塞でした。海賊を撃退することが目的であったため、キューバの都市サンティアゴ・デ・クーバの南端、海に面した岬の先端に建っています。20世紀に入ると要塞として用いられることはなくなり、世界遺産にも登録されて観光地となりました。カリブ海が一望できる美しい眺めが魅力的です。
万里の長城（中国）
- 万里の長城
- 中国 北京市 懐柔区 邮政编码: 101406（https://goo.gl/maps/L4stMBUHqpxLzd9v6 ）
- 万里の長城は、約6200km以上に渡って中国北部に残されている城壁の遺跡。中国を代表する観光地のひとつです。一般的には秦の始皇帝が建造したといわれていますが、始皇帝以前の時代から城壁は点在していたようです。時代によって場所や大きさがさまざまに移り変わってはいますが、モンゴル方面の異民族から国内を守るための防壁という役割は変わっていません。国境とはいえ常に緊張状態にあったわけではなく、平和な時代には他国と中国の間での交易拠点としても機能していました。その巨大さから「宇宙から肉眼で見える唯一の建造物」といわれていたこともありますが、現在は目視することはできないということが判明しています。
ポタラ宮（チベット）
- ポタラ宮
- 35 Beijing Middle Rd, Lhasa, Tibet, 中国 850000（https://goo.gl/maps/wYAmq5a9vzmmAdko9 ）
- ポタラ宮は17世紀チベットのラサに建造された宮殿です。「お城」という分類には厳密には入らないかもしれませんが、チベットの政治的・宗教的両面の権力を握る代々のダライ・ラマが住む建物としても利用されていることから、ここではお城として紹介します。ポタラ宮はチベットの政権ガンデンポタンの本拠地として、マルポリの丘に建てられました。全長400m、高さ113m、13階建てという巨大さで、単一の建造物としては世界最大級です。内部の部屋の総数は2000室以上ともいわれていますが、大きく分けると政治の本拠地である「白宮」と、宗教の本拠地である「紅宮」の2エリアに分けられます。急峻な崖の上にそびえたつ紅白の壮麗なポタラ宮を見ずにチベット旅行は語れないといっても過言ではないでしょう。
ストリートビューで旅行気分が味わえる？
今回紹介したお城以外にも、世界にはまだ多くの素敵なお城が存在します。本来であれば直接現地に赴いて体験したいところですが、気軽に海外旅行をするのが難しい人もいるでしょう。この記事で紹介したお城にはグーグルマップのURLも記載しました。Googleストリートビューを使えば、お部屋にいながら旅行気分を味わえるかもしれません。ぜひ活用してみてくださいね。
■Googleストリートビューの使い方を知りたい方はこちら
→ストリートビューの使い方～スマホでの見方や過去を表示する方法など～
